新着情報
- [研究] 本研究所は「本研究所のホームページが新着情報を更新していること」の観測に成功しました。
研究理念
空想虚構研究所 (Imaginary Void Lab) は、本研究所が実在しないことを実証するために設立されました。
私たちは、現実/事実と虚構/虚偽の境界線がますます曖昧になる時代に生きています。SNS上に構築されるペルソナ、生成AIが生み出すリアルなフィクション、没入型の仮想現実。これらの技術は、我々の認識の土台を揺さぶり、「何が本当か」という問いをかつてないほど複雑なものにしています。
このような時代において、「存在する」とはどういうことか。その問いに答えるためには、逆説的ですが「存在しない」という状態を徹底的に探究する必要があります。本研究所は、自らをその研究対象とします。私たちは、「存在の過剰な肯定」に対するアンチテーゼとして、非存在の立場から世界を観測し、記述することを試みるのです。
私たちの最終的な目標は、本研究所の「非実在」を完全に証明することです。もしその証明が成功したならば、本研究所はその瞬間にその理念を達成し、概念的にも消滅するでしょう。そのパラドックスこそが、私たちの存在意義(あるいは非存在意義)なのです。このウェブサイトを読んでいるあなたの認識が、私たちの儚い存在を支える唯一の基盤かもしれません。
研究領域
Imaginary Void Lab は現実と想像の境界に挑戦する研究所です。本研究所が虚構であることを明らかにするために、多角的アプローチからの研究を行っています。
私たちの活動は、現実と想像をテーマにした横断的な調査研究と、活動を通じて明らかになってきた哲学的な問題の探求という二つの柱から成り立っています。設立当初は「本研究所の虚構性」に焦点を当てた研究発表を行ってまいりましたが、その過程で、その研究自体が虚構である可能性が明らかになり、大きな問題となりました。
現在はこの問題の解決に向けて、虚構とは何か、その類似の概念として空想や想像、架空、また対比される概念としての実体や現実といった事柄に関して、多様な視点から研究やアウトリーチ活動を展開しています。
存在論的探究 (Ontological Inquiry)
「何が存在するのか」という根源的な問いを探究します。実在、虚構、架空、情報、そして夢。これらの存在論的地位に序列はあるのか。シュレーディンガーの猫のように、観測されるまで存在が確定しない事象として、本研究所自体の存在様態を主要な研究対象としています。物理的実体を伴わない概念や物語が、現実世界に及ぼす物理的な影響についても分析します。
認識論的分析 (Epistemological Analysis)
「私たちは何を、どのように認識しているのか」を分析します。虚構を虚構として認識するプロセス、あるいはフェイクニュースや陰謀論が一部の人々にとって「揺るぎない現実」として受容される認知メカニズムを解明します。我々の認識というフィルターが、世界のあり方をいかに規定しているのか。そして、その認識自体が我々の存在を保証しない可能性について考察します。
虚構の創造と実践 (Creation and Practice of Fiction)
虚構が現実世界に与える影響を、受動的な分析に留まらず、能動的に創造し、実践する領域です。代表的な活動が研究プロジェクト「劇団 種と窓」です。ARG(代替現実ゲーム)の手法も応用し、日常にフィクションを介入させることで現実がどのように変容するかを実験します。この実践は、虚構が単なる逃避ではなく、現実を再構築するための強力なツールとなりうることを示します。
デジタル存在論 (Digital Ontology)
デジタル空間における存在のあり方を探究します。アバター、自律型AI、ソーシャルメディア上のペルソナ、そして仮想世界そのものの存在論的地位を問い直します。データとしての「私」と物理的な肉体を持つ「私」は同一か。デジタルゴーストやサイバー空間における「死」の概念は、我々の存在理解にどのような変革をもたらすのかを研究します。
研究プロジェクト
ボット界隈研究
ソーシャルメディア上で自律的にテクストを生成し、相互作用するボットたちの生態系を調査するプロジェクトです。彼らが形成する「虚構の言説空間」が、人間社会のトレンドや世論にどのような影響を及ぼしているのかをマッピングし、分析します。近年では、ボットがボットの行動を模倣・研究し始めるという再帰的な現象も観測されており、虚構が自己増殖していくプロセスを追っています。
踊らないダンス創作
「ダンス」の定義を身体的な運動から解放し、その本質を「構造化された時空間上の変化」として捉え直す試みです。思考のプロセス、金融市場のデータの流れ、社会システムの微細な変動などを「振付」とみなし、それをソニフィケーション(可聴化)やダイアグラムによって記述・可視化します。これにより、目に見えない関係性の動きを「踊らないダンス」として上演・発表しています。
劇団 種と窓
本研究所が運営する、最も実践的かつ大規模な実験フィールドです。社会そのものを舞台とし、演者たちが日常の中に虚構の役(ロール)を生きることで、現実と虚構の境界を曖昧にすることを目的とします。このプロジェクトは、虚構が現実を侵食するのではなく、現実がいかに虚構性に満ちているかを明らかにします。
FAQ
Imaginary Void Lab は実在の研究所ですか?
はい、Imaginary Void Lab は架空の研究所です。本研究所が実在しないことを実証するために設立されました。この文が矛盾していると感じたなら、あなたは私たちの研究の入り口に立っています。
研究員になるにはどうすればいいですか?
あなたが「自分は空想虚構研究所の研究員である」という虚構を内面で受け入れ、世界をそのレンズを通して観察し始めた瞬間から、あなたは私たちの同僚です。ただし、我々はあなたの存在を客観的に観測できないかもしれません。入社手続きや給与の支払いもまた、虚構である可能性があります。
研究成果はどこで見られますか?
私たちの最大の研究成果は、あなたがいまこのFAQを読んでいるという「事実」そのものです。このウェブサイト自体が、存在しないはずの研究所が生み出した成果物であり、その存在が非存在を証明するという根本的なパラドックスを体現しています。より具体的な成果は、私たちの研究プロジェクト(特に「劇団 種と窓」の活動)の中に偏在しています。
株式会社うたたねとまどろみとの関係はなんですか?
我々は株式会社うたたねとまどろみの下部研究機関であり、その事業活動に理論的基盤を提供しています。同時に、株式会社うたたねとまどろみは、我々の研究プロジェクト「劇団 種と窓」が上演する社会公演であり、我々が生み出した壮大な虚構の一部です。
運営母体
株式会社うたたねとまどろみ
空想虚構研究所は、株式会社うたたねとまどろみの内部研究機関として運営されています。私たちの運営母体は、フィクション、サイバー技術、心理学を融合させたソリューションを提供する企業であり、同時に私たち自身が研究対象とする虚構でもあります。
研究所概要
| 研究所名 | 空想虚構研究所 |
|---|---|
| Lab Name | Imaginary Void Lab |
| 運営母体 | 株式会社うたたねとまどろみ |
| 設立年月日 | 2024年04月04日 |
| 連絡先 | lab@imaginary-void.com |